【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「――言うこと聞いてくれるなら、好きなだけ抱き上げて構わないから」
「っ、喜んで!」

 唐突に、カディオがシェスティを両腕で抱き上げた。

 まさか彼が『お姫様だっこ』するなんて思ってもみなかった。シェスティは、ブルーの目をぱちくりとしてしまう。

 昔は懐かない狼だと思っていたが、意外と忠犬なのだろうか。そう知った新たな彼の一面に、結構可愛いかもとシェスティは思ってしまった。

「ふふっ、これは、ちょっとハマってしまいそうね」
「シェスティ?」
「ううん、なんでもないわ」
「なら、このまま移動しても?」
「そうね。皆のところに連れて行って」
 シェスティがそう答えるなり、カディオが嬉しそうに笑って「承知した」と言い、歩き出す。

 廊下に、護衛騎士隊長が数人の騎士たち待っている。
 みんな『よかった』と安心しているような微笑みを浮かべていた。

「シェスティ、大好きだ」

 護衛を引き連れて廊下を進みながら、カディオがそっと言った。

「私も、大好きよ」

 シェスティも素直に気持ちになってそう言い、彼の胸板に頬を押し付けたのだった。



                了
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