【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 そばで移動を待っていた護衛騎士隊長が『あー……』と言いたげな、悩む表情を浮かべたのが見えた。同行するらしく、同じく待っていた数人騎士たちも、なんだか似た空気を醸している。

「お、俺はシェスティにと選んで買ってきたんだっ。贈る相手が君で悪いなんて、あるはずがないだろっ」

 なんとも伝わりにくい言い方だ。

(でも、私が感じていたように――)

 つまるところ彼は、自分の意思で選び、そして買ったので間違いないみたいだ。

 シェスティは少しどきどきしてしまった。
 父が言っていたように、ずっと付き合いのある相手なのは確かだ。

 そして、もしかしたら大人になって二人の関係はよいほうに変わるのではないかと、そんな期待が再びシェスティの胸に込み上げる。

 胸の鼓動が速くなった。

(他に、意味があったりするのかしら?)

 こんなこと、家族以外の誰かにされたことはない。

 世話になった隣国のアローグレイ侯爵家の人々はシェスティのことを、家族みたいに温かく接してくれたから対象外だろう。
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