【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 シェスティが腰をかがめて二人の子息と話していたら、突如ぐんっと身体が浮いた。

「えっ」

 国王たちも唖然としていた。

 カディオが子供を持ち上げるみたいに、子息たちの前にいたシェスティを後ろから持ち上げて、上へと遠ざけたのだ。

 しかも、彼の口から次に飛び出したその理由というのが、また意味不明だ。

「大きくなろうが、君たちにチャンスはない」

 子供たちは狐耳をぷるぷると震わせて、まさに蛇に睨まれたカエルのように動けなくなっていた。

 彼らの両親がそれぞれ後ろから確保したところで、大泣き。

 国王は撤退を決めたのか、素早い動きでカディオの背を押した。王妃がシェスティの両親を引っ張る。

「やー、すまないねデリアード公! ちょっと、息子、今こんな感じでさ!」

 国王の逃げ足は速かった。

 会場内を彼が走る姿はたびたび見られているので、何人かが「また走ってるぞ」という声は、シェスティの耳にも届いた。

(というか私を、先に降ろして欲しい)

 シェスティはカディオに持ち上げられているせいで、見ていく貴族たちの視線を真っ先に受けて口元がひきつっていた。
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