【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 そのあとは気を取り直したように会場にいる者たちと歓談していくことになったのだが、シェスティはもう心配しかなかった。

 カディオはやはり、三年前と違って一切喋ろうとしない。

 ただただ、シェスティの隣に大きな態度で立っている。

 おかげで話し相手はこちらから若干距離を取り、シェスティは双方の親たちの少し後ろにいる形になっていた。

「……あのね、カディオ? 誰も話しかけられないみたいだから、その態度をどうかできない?」
「俺が、どのような態度だと?」

 え、もしかして自覚がないのだろうか?

 シェスティは、不機嫌としか思えない彼の横顔を見上げた。

「まったく、父上たちもどうして同年代の婚約者がいない令息がいるところばかり回るんだ……」

 腕を組んだカディオの口調は、なんだか苛々しているように聞こえる。

(ほんと、どうしたのかしら。体調がまた悪くなってきたとか?)

 シェスティは会場内を見渡しつつ、言う。

「不自然ではないでしょう? 建国祭は、恋愛成就の日とも言われているのよ。まだ縁が結ばれていない子供を連れ回すのはよくあることだわ」
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