【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「……カディオ、すごいわね」

 素直に待っている相手を見て断れるシェスティではない。戸惑いつつも、褒めてみた。

 そうしたらカディオが、金色の目を少し見開き、そして口元を綻ばせた。

 彼が――笑った。

 眉間に皺はない。目元はとても優しげで、シェスティの心臓がなぜがどっとはねる。

(ああこれ、たぶん、酔っぱらっているわ)

 歩きながら酔一気飲みの酔いが醒めるといいのだけれど、とシェスティは思った。


 少し足を動かしていたら、酔い心地はみるみるうちに抜けてくれたようだ。
 だが、やはりこれは体調がおもわしくないのではないだろうか、とシェスティは本気で心配になってきた。

 珍しいくらい、国王夫妻とシェスティの両親は若い令息がいるグループに話しかけた。

 そのせいでカディオの機嫌も最高に、悪い。

 今年に社交テビューしたばかりだという初対面の令息に対しても、敵を見るような警戒の態度を崩さない。

 そのせいで、パートナーとして彼をフォローするシェスティが大変だった。両親たちはそれを楽しんでいる節もあり、全然加勢してくれない。
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