【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 護衛騎士隊長に案内され、慣れた王宮の通路を足早に進む。

 カディオは、気持ち悪いくらい静かだ。

「ごめんねカディオ、吐き気がったりする? もうすぐであなたの寝室だからね」
「……っ」

 何か言いたそうにはするのだが、彼は口をぎゅっとつぐんでいる。

 カディオの身体に力が入って抵抗を感じるたび、護衛騎士隊長が彼の足を進ませるのを手伝ってくれた。おかげで、どんどん王族の住居区へと近付く。

 月明かりが差す彼の寝室の入り口が見えてた。

 先に護衛騎士隊長が「失礼します」と言い、先に扉を開けて中へ入り、手早く室内の明かりをつけてくれる。

「彼の侍女たちを呼んできてくれる?」
「シェスティ様も、このままお休みになられますか?」

 扉から再び姿を現わした護衛騎士隊長が、確認してくる。

「そうしようと考えているわ。必要なら、カディオの看病もしなくちゃいけないし」

 背に触れている両手から、カディオがびくっと揺れたのが伝わってきた。
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