【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「え。なんですって?」

 聞き間違いかなとシェスティは思った。

「だからっ、襲いたい、つまり二人きりになったら押し倒して自制が利かないと自分でも分かっているくらいっ、俺はっ、シェスティが好きだと言ったんだ!」

 真っ赤になった端正な顔で、彼の眉間に深い皺が寄る。

 シェスティは、それで分かったしまった。

「これまでの嫌そうな表情って……もしかして……」
「君の前だとうまく表情が作れなかったんだ。……好きすぎて」

 そんな不器用なこと、あるだろうか。

 けれどシェスティのほうこそ真っ赤になってしまって、うまく言葉が出なかった。

 カディオがずっと、一人の女性として見てくれていた。

 その事実がシェスティの胸を激しく高鳴らせている。

(つまりパーティーでのおかしな行動も全部、気持ちが抑えられなくて……? 嫉妬から?)

 屋敷で感じた、一心に気遣われていると思ったこと。

 まるで会いたいと思われていると感じ取れた彼からの言葉と、表情――それがよみがえり、シェスティは顔から火が出そうになった。
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