【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「帰国した君に、微塵にも想い残しさえされていなかったらどうしようと、生きた心地がしなかったが、まだ俺のことを胸に残していてくれてよかったよ」

 カディオがほっとしたみたいに、赤くなった目元を軽く細める。

 そんな表情を彼ができたことに驚く。シェスティは胸の鼓動が速まってしまって、うろたえた。

「君がいなくなって、自分がどれほど子供じみたアプローチしかしてこなかったことかと反省した。三年で呼び戻すから、それまでにどうにか心を掴む方法を考えろと、覚悟を決めろと言われ君の目や関心を引きたくて、三年鍛えた」
「ま、待ってっ、そもそもいつから――」
「君と俺が引き合わされたのは、そもそも縁談の話が持ち上がっていたからだぞ」

 彼が、軽く眉を寄せてくる。だが、頬が染まっているので効果はない。

 それは、シェスティにとって衝撃の事実だった。

 でも、そう考えると納得だ。だから周りはよく彼と会わせようとしたり、シェスティが授業を受ける場所が王宮だったりしたのだろう。
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