【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
「伝わるように私も言うわよっ。たぶん、カディオが好きっ。だから、このまま婚約なさい!」

 シェスティは目も潤むほど、顔が熱くなっている自覚があった。

 彼が口元を手で押さえたまま、一度ゆっくりと目を閉じる。

「シェスティらしくてますます惚れた。君は行動も、台詞もいちいち全部が可愛すぎる……」
「えっ」
「すまない、今はほんと自制が利く自信がない。白状した勢いで俺も何を言うか分からない。かっこもつかないし――改めて出直させてくれるか」

 少しだけ目をそらしたカディオは、やはり恋する乙女だ。

 見ているだけで、シェスティも猛烈に恥ずかしくなってくる。

「そ、そうみたいに。いろいろと言っちゃう感じになっているのは分かったわ、その……あなたの案には賛成よ。私も、ちょっと……顔の熱を下げたいというか」
「じゃあ……そういうことで」
「う、うん」

 シェスティは、潔い態度ですぐさまカディオに背を向けた。

 だが歩き出して数歩、急に後ろから大きな声がかかって、肩がはねる。
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