【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 歩み寄る王妃が「あなたはバカなのですか?」と容赦なく言ったが、国王は大好きな妻の顔を見て、反射的に笑みを浮かべていた。

 その笑い方は、昨夜見たカディオに似ている。

 シェスティは不意打ちにどきりとした。

「まぁ、息子があんなふうになっているのも滅多にない。そこで、飲みの勝負を持ち掛けて、酔い潰してやったわけだ」
「なぜそのようなことをなさったのですか……」

 カディオがまだ起きていない理由を察して、シェスティはため息を吐く。

「だって彼と顔を合わせたら、話しどころではなくなるたろう?」
「うっ、それは……はい、そうです」
「ああ、ちなみにお前の兄には、少々デリアード公の対応をさせている」

 つまりは『時間を作ってくれた』というわけだろう。

「どういうわけか説明していただけますよね? 昨夜の今日で婚約だなんて、用意されていたからこそできたとしか思えませんし」
「もちろん」

 さあ座ってと国王に促され、シェスティは両親とは別の一人掛けソファに腰を下ろした。
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