【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 シェスティがそもそもカディオと引き合わされたあと王宮によく行かされたのは、彼の婚約者候補になっていたからだ。それは、カディオの反応を見て国王と王妃が決めたという。

 当時、カディオはまだ自覚がなかったようだが、誰の目から見ても、初めて異性を気にしている少年の顔をしていた――らしい。

「シェスティが気付かなくて笑ったよ。面白いし、結婚というのは互いが決めることだから私たちは黙っていることを決めたわけだ」

 獣人族の中で『黒狼』も伴侶への愛が、強い種族だ。

 国は平和であるし、未来の妃に他国からの姫を迎える必要は、今のところない。

 国王としてはカディオには、自分と同じように好いた相手との結婚を迎えて欲しい想いもあった。

 二人の様子は、国民たちも一緒になって見守っていたという。

 だが、そこで想定外のことが起こった。

 ――シェスティの留学だ。

 アルヴエスタ王国は、軍事でも学問でも他国から注目されており、隣国はその国出身の〝優秀な生徒〟を欲していた。
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