【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 今はたくさんのドレスや、ちらりと耳にした『コレクションルーム』が頭から離れないくらい、気になっている。

 カディオは、相当ショックを受けたらしい。

 そして国王は『三年だ』と彼に告げたという。

「国を飛び出されてもかなわんからな」

 それは――無理だ。
 二十一歳になっていたカディオにとって、国内で実績や功績を積むためにも重要な時期になっていた。彼は部隊の指揮官でもある。

「そう……」

 一通り話を聞いたシェスティは、自然と自分の胸に手をあて、そう呟くように最後の相槌を打っていた。

(彼は――迎えにくるつもりでいた)

 気にしていたのシェスティだけではなかったのだ。
 それが、無性に嬉しい。

 母がそんなシェスティの様子を見て、間もなくふふっと笑った。

「まんざらでもないみたいね」
「母様」
「いいじゃない。あなたたちはとても相性がいい組み合わせだと思うわ。あなたはしっかり者だし、彼はシェスティのこととなるとだめになるところもあるけど、でも、私がこれまで見てきた令息の中で、一番あなたのことを考えてくれているもの」
「うん、それは……私も分かってる」

 その時、慌ただしい足音が聞こえてきた。
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