【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 素直になれなかっただけ。
 なんて、不器用な王子様だろう。

 王妃が「まったく」と言う声が聞こえた。

「ほら見なさい、この子ったら、あなたが好きすぎてこらえ症もいなんだから」
「あっははは、しまりがないなぁ。まぁこれを機に、シェスティにも分かってよかっただろう。じゃあ、邪魔者はいったんデリアード公のもとに戻ろうではないか」
「そうですね」

 父が国王に言い、母も同意して双方の両親が立ち上がる。

「え、え? この状態で置いてくの?」

 四人は廊下へと出ていってしまう。王妃、シェスティの父、そして母の姿が廊下の浸りへと消え、最後に国王が、

「話しが済んだら来なさい。婚約すれば、まぁ獣人族の求愛行動も少しは落ち着くから」

 求愛行動? と頭に浮かべている間にも、おちゃめな国王の顔が調子よく廊下向こうに消える。だがその際「うっ」と苦痛の声が聞こえ、護衛騎士が大丈夫かうかがう声が遠くなっていく。

(……と、というか私、抱き締められているんですけど!?)
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