【電子書籍化決定】改題/犬猿の仲の狼王子から、なぜか求愛されています!?(旧題/関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている)
 とっくに準備していたのだろうとは分かる。
 そうでなければ、明日や今日で準備できる代物ではない。

「俺と、婚約してください」

 そんなこと、婚約を聞かされた際に自然と受け入れていたくらいに、シェスティは彼の気持ちを受け止めていた。

 昨夜でカディオも理解しただろう。

 でも、彼は彼なりに、誠意まで示してくれている。

「はい。喜んで」

 どきどきしながら左手を差し出す。

 カディオが恭しくその手をすくい上げるようにして取り、サイズが小さいほうの指輪を、シェスティの薬指にはめた。

(なんて、――綺麗なのかしら)

 自分の指にある銀の指輪、そこに仲良く並んだ二人の瞳の色に、ぽうっとしてしまう。

 カディオが感嘆の息をもらし、同じくそれをじっと熱く見つめていた。

「ああそうだわ、あなたの婚約指輪は私がつけてもいい?」
「っ、も、もちろんだ」

 見つめていて頭から飛んでいたらしい。カディオが大急ぎで婚約指輪を用意し、シェスティに手渡す。
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