ファンは恋をしないのです
4.夢だと思っていました
* * *
『今日に限って朝から発熱して行けません。せっかくチケット取れたのに~!』
『食べ物とかちゃんとあるの?ライブ前後、物販行かないから時間あるし、何か届けようか?』
『大丈夫。ウーバーするから。うつしたら嫌だし、里依は楽しんできて。一緒に行けなくてほんとごめん!申し訳ない!』
『それは全然気にしないで。無理しないで、必要なら頼ってよ。別に遠い距離ってこともないんだから。』
『明日頼むかもしれないけどとりあえず今日はライブ、全力で行って!』
『はいはい。それじゃお大事にね。』
本人に会うという非公式イベントから早三か月。今日はスタカラのキャラクターの年に一度のCGライブだった。声優のライブではなく、CGモデル化されたキャラクターが歌って踊るというイベントだ。本当は怜花と行く予定だったが、当日に発熱をするという災難が降りかかってきた怜花からの連絡で、一人で行くことになってしまった。怜花が居れば二人でそれなりにペンライトを振って盛り上がるが、一人で行くとなるとさすがに盛り上がれない。そんなに前の方の席が当たったわけではなくてかえって良かったのかもしれない。ペンライトはそっと家に置いて、せめてものリングライトを数個持って、里依は現場に向かった。ライブ後はいつもなら、例の居酒屋で怜花と祝杯をあげるが、今日は一人だ。それでもやっぱりライブ後はあそこに行かないとなと思い、里依は頭の中で今日の午後の流れを一通り確認した。つつがなく、一日を終えられる。怜花がいないのは残念だけれど、いい音楽と好きなキャラクターに癒されよう。そんなことをいつも通りに思っていた。
―――そして今、居酒屋で頭を抱えている。
「あ、久しぶりですね。」
「…!?」
声にならない声をあげかけた。カウンター席で一人で飲んでいたはずなのに、思わぬ来客が目の前にいて、突然視界がぐわんぐわんと揺れる。
「隣に座ってもいいですか?」
「ひぇっ…また非公式に…!」
「非公式!」
ははっと軽く三澄は笑うが、里依にとっては全く笑い事じゃない。
『今日に限って朝から発熱して行けません。せっかくチケット取れたのに~!』
『食べ物とかちゃんとあるの?ライブ前後、物販行かないから時間あるし、何か届けようか?』
『大丈夫。ウーバーするから。うつしたら嫌だし、里依は楽しんできて。一緒に行けなくてほんとごめん!申し訳ない!』
『それは全然気にしないで。無理しないで、必要なら頼ってよ。別に遠い距離ってこともないんだから。』
『明日頼むかもしれないけどとりあえず今日はライブ、全力で行って!』
『はいはい。それじゃお大事にね。』
本人に会うという非公式イベントから早三か月。今日はスタカラのキャラクターの年に一度のCGライブだった。声優のライブではなく、CGモデル化されたキャラクターが歌って踊るというイベントだ。本当は怜花と行く予定だったが、当日に発熱をするという災難が降りかかってきた怜花からの連絡で、一人で行くことになってしまった。怜花が居れば二人でそれなりにペンライトを振って盛り上がるが、一人で行くとなるとさすがに盛り上がれない。そんなに前の方の席が当たったわけではなくてかえって良かったのかもしれない。ペンライトはそっと家に置いて、せめてものリングライトを数個持って、里依は現場に向かった。ライブ後はいつもなら、例の居酒屋で怜花と祝杯をあげるが、今日は一人だ。それでもやっぱりライブ後はあそこに行かないとなと思い、里依は頭の中で今日の午後の流れを一通り確認した。つつがなく、一日を終えられる。怜花がいないのは残念だけれど、いい音楽と好きなキャラクターに癒されよう。そんなことをいつも通りに思っていた。
―――そして今、居酒屋で頭を抱えている。
「あ、久しぶりですね。」
「…!?」
声にならない声をあげかけた。カウンター席で一人で飲んでいたはずなのに、思わぬ来客が目の前にいて、突然視界がぐわんぐわんと揺れる。
「隣に座ってもいいですか?」
「ひぇっ…また非公式に…!」
「非公式!」
ははっと軽く三澄は笑うが、里依にとっては全く笑い事じゃない。