ファンは恋をしないのです
6.暗闇と温もり
* * *
画面に向かって最後までペンライトを振る里依ははっと我に返った。
(終わってしまった…終わった!?えっ、途中…?いや、ほぼ最初から全力で集中して観てしまった…気がする…)
恐る恐る三澄の方を見ると、三澄と目が合った。
「っ…あの、私、…す、すみません!何かひどいことはしてなかった…でしょうか?」
「うん、全然。ずっと楽しかったよ。」
「よ…良かったです…。」
失礼なことはしていなかったようで、ほっと胸をなでおろした。ペンライトをテーブルに置き、リングライトを外す。そして、カバンにしまおう。そんなことを呑気に思っていたその瞬間だった。いつの間にか強くなっていた雨。そして一瞬の強い光。光ってすぐに聞こえた雷鳴。テレビの電源が切れ、照明が突然消えた。
「っ…。」
「停電…?今の、大きかったから?」
里依の体が強張った。停電したのは家の中だけではないようだった。本来は窓から入ってくる街灯の明かり一つなく、里依の視界は真っ暗だった。
「里依さん、ソファに座ってる?」
「床に…座ってます。」
「そこから動かないでね。スマホは…あいたっ!ぶつけた。あ、あった。ライトつけるね。」
スマホの裏面にあるライトがついた。三澄が里依の方にライトを向けると、両耳をぎゅっと押さえて縮こまる里依がいた。
「里依さん…?」
「み…三澄さん…す、すみません!」
また外が光り、ドンと地響きがしそうなほどに大きな音が鳴る。特に音の方に反応してびくつく里依を見て、三澄はゆっくりとソファの前まで戻る。ライトが里依に近付いていく。里依の表情が三澄にもはっきりと見えた。目尻に滲む涙と震える肩。そして音を遠ざけようと爪が食い込んでしまうのではないかと思えるくらいにぎゅっと耳を隠して、いつの間にかカーペットの上で体育座りになっている里依がそこにはいた。
画面に向かって最後までペンライトを振る里依ははっと我に返った。
(終わってしまった…終わった!?えっ、途中…?いや、ほぼ最初から全力で集中して観てしまった…気がする…)
恐る恐る三澄の方を見ると、三澄と目が合った。
「っ…あの、私、…す、すみません!何かひどいことはしてなかった…でしょうか?」
「うん、全然。ずっと楽しかったよ。」
「よ…良かったです…。」
失礼なことはしていなかったようで、ほっと胸をなでおろした。ペンライトをテーブルに置き、リングライトを外す。そして、カバンにしまおう。そんなことを呑気に思っていたその瞬間だった。いつの間にか強くなっていた雨。そして一瞬の強い光。光ってすぐに聞こえた雷鳴。テレビの電源が切れ、照明が突然消えた。
「っ…。」
「停電…?今の、大きかったから?」
里依の体が強張った。停電したのは家の中だけではないようだった。本来は窓から入ってくる街灯の明かり一つなく、里依の視界は真っ暗だった。
「里依さん、ソファに座ってる?」
「床に…座ってます。」
「そこから動かないでね。スマホは…あいたっ!ぶつけた。あ、あった。ライトつけるね。」
スマホの裏面にあるライトがついた。三澄が里依の方にライトを向けると、両耳をぎゅっと押さえて縮こまる里依がいた。
「里依さん…?」
「み…三澄さん…す、すみません!」
また外が光り、ドンと地響きがしそうなほどに大きな音が鳴る。特に音の方に反応してびくつく里依を見て、三澄はゆっくりとソファの前まで戻る。ライトが里依に近付いていく。里依の表情が三澄にもはっきりと見えた。目尻に滲む涙と震える肩。そして音を遠ざけようと爪が食い込んでしまうのではないかと思えるくらいにぎゅっと耳を隠して、いつの間にかカーペットの上で体育座りになっている里依がそこにはいた。