ファンは恋をしないのです
* * *
「それで?里依はちゃんと言ったの?」
「…言ってないよぉ~…。」
里依はジョッキをぐいっと飲み干して、テーブルに突っ伏した。
「あのねぇ。」
「…言いたいことは、わかってる。」
「あっそ。でもあえて言うね?そんなに悩む時点で好きだからね、そんなの。」
「…わかってるもん。」
あの日から1か月は経ってしまった。『告白 1か月 保留』で検索すると、『待たせすぎ』や『脈ナシ』などの意見がかなり散見されて、里依はより一層委縮した。ずっと考えている。何度考えても、揺らいでも、一つの気持ちはなくならない。
「わかってんだ。じゃあ良くない?向こうも里依のこと大好き、里依も向こうが大好き。はい、カップル成立。」
「とはいかないんだって…。そりゃ、怜花みたいにはっきりした美人でさ、自信もあってとかならいいけど…。」
「見た目がネックってこと?」
怜花の大きな瞳が真っ直ぐに里依を見つめる。
「…それだけじゃ、ないけど。…好きなのは、うん。もう認める。好きだなぁって思うことが、増えちゃった。でも、ちゃんと残ってる頭が本当に大丈夫かって問いかけてくるの。そうすると、私は答えを出せない。」
「好き、は答えじゃないってこと?」
「…三澄さんはね、気持ちを聞かせてって言ってくれたの。だから、好きって言葉は多分、答えになるんだと思う。でもなんか、…それでいいのかなぁとか。」
「うん。」
「三澄さんのことを好きな人はたくさんいるでしょう?私もそのうちの一人であることに変わりはない…よなとか。」
言葉尻が小さくなる。好きの気持ちと、一緒に居たいという気持ちは両立できるが、里依の中で上手く成立はしていない。そんな里依の様子を見かねた怜花は、はぁとわかりやすく、深く大きなため息を零した。
「変わるでしょ、全然。というか、そのうちの一人でしかなかったらデートもしないし電話もしない。里依の返事を急かすこともしなくてただその言葉を待ってくれる人にとって、里依が特別じゃないなんてことある?里依はさ、声優の三澄さんだから悩んでたんだろうけど、もうその次元はとっくに超えてて、男の人の三澄さんにたくさん出会ってるんじゃないの?」
里依は静かに頷いた。
「それで?里依はちゃんと言ったの?」
「…言ってないよぉ~…。」
里依はジョッキをぐいっと飲み干して、テーブルに突っ伏した。
「あのねぇ。」
「…言いたいことは、わかってる。」
「あっそ。でもあえて言うね?そんなに悩む時点で好きだからね、そんなの。」
「…わかってるもん。」
あの日から1か月は経ってしまった。『告白 1か月 保留』で検索すると、『待たせすぎ』や『脈ナシ』などの意見がかなり散見されて、里依はより一層委縮した。ずっと考えている。何度考えても、揺らいでも、一つの気持ちはなくならない。
「わかってんだ。じゃあ良くない?向こうも里依のこと大好き、里依も向こうが大好き。はい、カップル成立。」
「とはいかないんだって…。そりゃ、怜花みたいにはっきりした美人でさ、自信もあってとかならいいけど…。」
「見た目がネックってこと?」
怜花の大きな瞳が真っ直ぐに里依を見つめる。
「…それだけじゃ、ないけど。…好きなのは、うん。もう認める。好きだなぁって思うことが、増えちゃった。でも、ちゃんと残ってる頭が本当に大丈夫かって問いかけてくるの。そうすると、私は答えを出せない。」
「好き、は答えじゃないってこと?」
「…三澄さんはね、気持ちを聞かせてって言ってくれたの。だから、好きって言葉は多分、答えになるんだと思う。でもなんか、…それでいいのかなぁとか。」
「うん。」
「三澄さんのことを好きな人はたくさんいるでしょう?私もそのうちの一人であることに変わりはない…よなとか。」
言葉尻が小さくなる。好きの気持ちと、一緒に居たいという気持ちは両立できるが、里依の中で上手く成立はしていない。そんな里依の様子を見かねた怜花は、はぁとわかりやすく、深く大きなため息を零した。
「変わるでしょ、全然。というか、そのうちの一人でしかなかったらデートもしないし電話もしない。里依の返事を急かすこともしなくてただその言葉を待ってくれる人にとって、里依が特別じゃないなんてことある?里依はさ、声優の三澄さんだから悩んでたんだろうけど、もうその次元はとっくに超えてて、男の人の三澄さんにたくさん出会ってるんじゃないの?」
里依は静かに頷いた。