ファンは恋をしないのです
* * *
「いただきます。」
「…お口に合うといいんですが…。」
里依の家には座卓しかなく、三澄をカーペットの上に座らせてしまうことに最初はやや申し訳なさがあったが、それを謝罪すると『え?全然大丈夫だよ。俺なんて昔カーペットもなくて床に座ってたし。』と笑った。
三澄はまずハンバーグを意外と大きな一口でがぶっと口にした。もぐもぐと口を動かしていると、目が少しずつ大きくなる。
「…あ、あの…。」
「美味しい!めちゃくちゃうまい!えーなんだろうこの甘み?玉ねぎかなぁ。デミグラスソースもすっげぇうまい!うまー!」
ハンバーグ、ご飯、ハンバーグと次々に口に放り込んでは「うまー!」と繰り返す三澄に、里依は心の底から安堵した。今まで一緒に食事をしたことはある。美味しいものを美味しいとは言うが、こんな風に口に頬張って、まるで子供のように食べる姿は初めて見るため、里依は目を丸くして三澄を見つめることしかできない。
「ん?」
「あっ…す、すみません!凝視しすぎました!」
「なんか変なことしてた、俺?」
「いえ、あの…そういう風に食べる三澄さんを見たのが初めてで、その…なんだか新鮮で…。」
「あっ、ごめん!すっごいがつがつ食べちゃってたね。味わってないとかじゃないからね?」
「はい、それはもう、お顔からよくわかります。お口に合ったようでよかったです。」
里依はやっと自分の箸に手を伸ばした。三澄にならってハンバーグを一口食べて、いつも通りの味にホッとする。
「スープも野菜ゴロゴロ入ってて美味しい。はー…幸せ。お腹も満たされてるけど、これ全部里依さんが作ってくれたんでしょ?今日、仕事頑張ってきてよかったー。ご褒美感がすごいー。」
「あの、苦手な野菜とかなかったですか?私、苦手な食材とか知らないなって思いまして…。苦手な食べ物ってあるんですか?」
「ん-…魚卵?食べれないことはないんだけど、好んでは食べないかなぁ。あ、たらこパスタとかみたいなくらいなら…何て言えばいいかな…生じゃなかったらいける的な?でも食べれないわけじゃない!自分で買わないってだけ!」
「他にはないですか?」
珍しいことをしている自覚はある。里依の方から前のめり気味に質問をすることは今までになかった。しかし、料理をするとなって気付いたのだ。本当に自分は、三澄のことを何も知らないと。
「いただきます。」
「…お口に合うといいんですが…。」
里依の家には座卓しかなく、三澄をカーペットの上に座らせてしまうことに最初はやや申し訳なさがあったが、それを謝罪すると『え?全然大丈夫だよ。俺なんて昔カーペットもなくて床に座ってたし。』と笑った。
三澄はまずハンバーグを意外と大きな一口でがぶっと口にした。もぐもぐと口を動かしていると、目が少しずつ大きくなる。
「…あ、あの…。」
「美味しい!めちゃくちゃうまい!えーなんだろうこの甘み?玉ねぎかなぁ。デミグラスソースもすっげぇうまい!うまー!」
ハンバーグ、ご飯、ハンバーグと次々に口に放り込んでは「うまー!」と繰り返す三澄に、里依は心の底から安堵した。今まで一緒に食事をしたことはある。美味しいものを美味しいとは言うが、こんな風に口に頬張って、まるで子供のように食べる姿は初めて見るため、里依は目を丸くして三澄を見つめることしかできない。
「ん?」
「あっ…す、すみません!凝視しすぎました!」
「なんか変なことしてた、俺?」
「いえ、あの…そういう風に食べる三澄さんを見たのが初めてで、その…なんだか新鮮で…。」
「あっ、ごめん!すっごいがつがつ食べちゃってたね。味わってないとかじゃないからね?」
「はい、それはもう、お顔からよくわかります。お口に合ったようでよかったです。」
里依はやっと自分の箸に手を伸ばした。三澄にならってハンバーグを一口食べて、いつも通りの味にホッとする。
「スープも野菜ゴロゴロ入ってて美味しい。はー…幸せ。お腹も満たされてるけど、これ全部里依さんが作ってくれたんでしょ?今日、仕事頑張ってきてよかったー。ご褒美感がすごいー。」
「あの、苦手な野菜とかなかったですか?私、苦手な食材とか知らないなって思いまして…。苦手な食べ物ってあるんですか?」
「ん-…魚卵?食べれないことはないんだけど、好んでは食べないかなぁ。あ、たらこパスタとかみたいなくらいなら…何て言えばいいかな…生じゃなかったらいける的な?でも食べれないわけじゃない!自分で買わないってだけ!」
「他にはないですか?」
珍しいことをしている自覚はある。里依の方から前のめり気味に質問をすることは今までになかった。しかし、料理をするとなって気付いたのだ。本当に自分は、三澄のことを何も知らないと。