ファンは恋をしないのです
「時間をかけたら、回数を重ねたら、慣れてくれる?」
「慣れ…ます!頑張ります!」
里依は強く頷いた。そんな姿に苦笑しながら、三澄は頭を軽くかいた。
「頑張ってほしいような、そんなに頑張りすぎないでって言いたいような…ちょっとどっちつかずな気持ちかも。頑張る里依さんは可愛くて好きなんだけど、頑張りすぎたら疲れちゃうでしょ?」
「…仕事とか、そういうもので頑張りすぎたら疲れますけど、三澄さんとのことで頑張ることはその、私のしたいことだから…だから、あの、抱きしめることも…き、キスも、今は全然慣れてなくて変な感じかもしれませんが、というか絶対変だと思いますが、ちゃんとその…三澄さんのご迷惑にならない程度にはちゃんとできるようになりたいとは、思って…ます。練習にお付き合いいただけると…嬉しいです。」
里依が言い終えると、三澄は深いため息を零した。
「はー…里依さん、絶対俺以外の人と練習しないでね、それ。」
「えっ!?」
「どっちがどんなに忙しくても、絶対全部の練習に付き合うから、俺とだけ練習して、俺に慣れて。…たくさんしたいし、されたい。里依さんがしてくれることは、俺も全部嬉しいから。…里依さんのこと、大好きだから。」
三澄の声で紡がれる『大好き』の言葉は、今まで『キャラクター』の声でならば何度も聞いてきた。それこそ、『大好き!』『大好きだよ!』『これからもずーっと大好きです!』といった具合に、様々なバリエーションで。しかし、そのどれにも当てはまらない、静かなその言葉に胸がきゅっとして、里依は自分の胸の前で右手を握った。
「スローペース…いえ、マイペースでごめんなさい。たくさん…その、我慢というか、、待たせているんだろうなとは…思っています。でもあの、頑張る気合は今、あるので!」
「はは、気合かぁ。じゃあずっと真っ赤な顔だけど目をそらさないでいてくれるのも、気合の賜物?」
「そうです!照れは自分でコントロールできませんが、目を見るのは自分でどうにかできるので…。」
「…長時間の上目遣いに負けるのは俺だね、絶対。」
「負ける?」
「…ここに目がいっちゃうの。」
三澄の指が再び、里依の唇に触れた。里依にも意味がわかって、里依の下唇に力がはいった。三澄がしたいのは、さっきの額へのキスじゃない。それはわかるから、自分からしたいけれど、自分からしたことがないし、距離があるからどう詰めたらいいかわからなくて動けない。首を伸ばしたら届くのだろうか、でもそれで届かなかったら恥ずかしい。そんなことが頭の中でぐるぐるする。
「慣れ…ます!頑張ります!」
里依は強く頷いた。そんな姿に苦笑しながら、三澄は頭を軽くかいた。
「頑張ってほしいような、そんなに頑張りすぎないでって言いたいような…ちょっとどっちつかずな気持ちかも。頑張る里依さんは可愛くて好きなんだけど、頑張りすぎたら疲れちゃうでしょ?」
「…仕事とか、そういうもので頑張りすぎたら疲れますけど、三澄さんとのことで頑張ることはその、私のしたいことだから…だから、あの、抱きしめることも…き、キスも、今は全然慣れてなくて変な感じかもしれませんが、というか絶対変だと思いますが、ちゃんとその…三澄さんのご迷惑にならない程度にはちゃんとできるようになりたいとは、思って…ます。練習にお付き合いいただけると…嬉しいです。」
里依が言い終えると、三澄は深いため息を零した。
「はー…里依さん、絶対俺以外の人と練習しないでね、それ。」
「えっ!?」
「どっちがどんなに忙しくても、絶対全部の練習に付き合うから、俺とだけ練習して、俺に慣れて。…たくさんしたいし、されたい。里依さんがしてくれることは、俺も全部嬉しいから。…里依さんのこと、大好きだから。」
三澄の声で紡がれる『大好き』の言葉は、今まで『キャラクター』の声でならば何度も聞いてきた。それこそ、『大好き!』『大好きだよ!』『これからもずーっと大好きです!』といった具合に、様々なバリエーションで。しかし、そのどれにも当てはまらない、静かなその言葉に胸がきゅっとして、里依は自分の胸の前で右手を握った。
「スローペース…いえ、マイペースでごめんなさい。たくさん…その、我慢というか、、待たせているんだろうなとは…思っています。でもあの、頑張る気合は今、あるので!」
「はは、気合かぁ。じゃあずっと真っ赤な顔だけど目をそらさないでいてくれるのも、気合の賜物?」
「そうです!照れは自分でコントロールできませんが、目を見るのは自分でどうにかできるので…。」
「…長時間の上目遣いに負けるのは俺だね、絶対。」
「負ける?」
「…ここに目がいっちゃうの。」
三澄の指が再び、里依の唇に触れた。里依にも意味がわかって、里依の下唇に力がはいった。三澄がしたいのは、さっきの額へのキスじゃない。それはわかるから、自分からしたいけれど、自分からしたことがないし、距離があるからどう詰めたらいいかわからなくて動けない。首を伸ばしたら届くのだろうか、でもそれで届かなかったら恥ずかしい。そんなことが頭の中でぐるぐるする。