低温を綴じて、なおさないで
.茉莉花 ─ side maya














──ずっと大きな嘘をついていたのは、私のほうだ。


傷ついたふりをしようとふたりの逢瀬に割り込んだのに、けっきょくはあのひとのことしか頭になかったせい。



口が、滑った。



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