低温を綴じて、なおさないで



「……二回目のとき、腰に痕つけたの、覚えてる?」


「…………それは、もちろん」


「意味、調べてみて」




考えたこともなかったから知らなくて、恥ずかしさもありつつその場でスマホの画面に指を滑らせてみれば。




「……っ!」


「もうはやく、俺だけ見てほしくて」




表示されたのは、やさしくて柔らかな直からかけ離れた強い言葉だった。


そして、自信なさげに家に誘って手を繋いでもいいかなんて尋ねる直からは想像ができない。しっかり直の手のひらの上で転がされている。




──“自分のものにしたい”




「栞のことをもの、なんて思ってないけど。でももうずっと、栞の周りの男に嫉妬しておかしくなりそうだった」


「……心臓、もたない……」




やっぱりきみが、あまくてこまる。




𓍯




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