低温を綴じて、なおさないで



「ごめんね、直。……あのとき、わたしがただ自分勝手で。エアコンのリモコンを探してたら、なおくんへって書かれた手紙が目に入って、どうしようもなく、かなしくてさみしくなった」


「……手紙、」


「嫉妬とか、独占欲とか、色々言い聞かせてたけど。直がすきだったから、わたし以上に大切な女の子がいるのかもってくるしくなった。彼女じゃないから当たり前なのにね。それで、そんな自分に自己嫌悪して、ぜんぶ、壊してほしくなった」




周りの人や物にあまり執着がないからこそ、そういった類のものを残してることが信じられなかった。信じたくなかった。


どこまでも身勝手なくせして、すきって感情を認めようとしてこなかった。あのときに関係が壊れてもおかしくなかったのに、ぜんぶ、直のやさしさに甘えてた。



一気に言い終えて、改めて直を見つめる。いつ見ても綺麗で中性的な整った造形。


ダークブラウンの双眸が同じようにわたしを見つめて、なぜかうれしそうに表情を緩める彼にはてなが浮かぶ。



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