低温を綴じて、なおさないで




「今日は時間通り来れて良かった」


「また遅れたらもうさすがに帰ってたかも」


「あぶな。セーフすぎ」





大袈裟に安心する素振りと表情をした葉月くんに、わたしも笑って返す。葉月くんはひとつ上で、わたしよりずっと大人だと思う。



だからか、一緒にいると楽しいし、落ち着く。タメ口で話していいか、とか、くんづけで呼んでいいかとか、すべて何も聞かずにここまできた。



会ったその日から、敬語が取れた、矢野さんから葉月くんへ呼びかたが変わった。



親近感と余裕さがあって、親しみやすい。そういう空気感、オーラを出して受け入れてくれるのが葉月くんのいいところで、わたしが会い続けている理由だとも思う。



後ろに置いてある花火の袋がルームミラーに映る。これもあらかじめ用意してくれていたり、やっぱり前回はイレギュラーで、これが本物の葉月くんだよね、と改めて感じる。






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