恋より仕事と決めたのに、エリートなお隣さんが心の壁を越えてくる
さすがに下着はないので、帰り道のコンビニで簡素なものを調達した。
彼との初めての夜にこんな下着でいいのだろうか……という微妙な乙女心もあったものの、コンビニの棚の前でショーツを睨みつけていたら、昴矢さんがひょいとそれをかごに入れてしまった。
『どうせすぐに脱ぐんだから』と、身もふたもないことを言って。
その後ちょっぴりむくれて彼の隣を歩いていたら、あやすようにポンポンと頭を軽く叩いた彼が、私の顔を覗いた。
『志乃の気持ちはわかってるよ。気合いの入った下着はまた今度、俺に余裕があるとき見せてもらう』
『……余裕?』
『そう。今夜はさんざん焦らされた後だからな。絶対オオカミになる自信ある』
そう言って、繋いでいるのと反対の手を爪を立てるように丸めて見せた昴矢さん。
言葉とは裏腹になんだかかわいらしい仕草で、拗ねていた気持ちもすぐに穏やかになった。
「シャンプーとかは適当に使って。志乃が出たら俺も入る」
ソファから立ち上がり、昴矢さんからタオルと衣類を受け取った。いかにもな恋人同士のやり取りに、緊張が高まる。