恋より仕事と決めたのに、エリートなお隣さんが心の壁を越えてくる

 手を繋ぐのも抱き合うのもキスも、昴矢さんが相手なら固まったりすることもなく大丈夫だったけれど、セックスはどうなるかわからない。

 年齢的にあまり不慣れなのも恥ずかしい気がするけれど、だからって慣れたふりをするのはもっと無理だ。

 素直に、本当の自分を見せるしかない。

「ありがとうございます。それじゃ、お先に使わせていただきます」
「行ってらっしゃい」

 昴矢さんに見送られ、バスルームへ向かう。浴室の使い方は完全に私の部屋と同じだったので、少しだけリラックスすることができた。

 ……でも、本当に、少しだけ。

 少しでも彼にがっかりされるポイントを減らそうとあちこち丁寧に洗ううち、これから本当に彼の手が自分の素肌に触れるのだと想像して、恥ずかしさに悶えそうになった。

 永遠にシャワーを浴びていたい気分だったけれどそうもいかないので、観念して脱衣所に出る。

 彼が貸してくれたふわふわのタオルで体を拭くと、コンビニのショーツを穿いた上から、昴矢さんに借りた白いTシャツを頭からかぶった。

 うちにもある例の洗剤の香りと、それからほんのり、昴矢さんの香りがしてドキドキする。

 男性用のXLサイズなので、短めのワンピースのようにお尻まですっぽり隠れた。本当は下に穿くものも欲しかったけれど、渡されなかったので仕方ない。

 昴矢さんのことだから、『どうせすぐに脱ぐんだから』と思ったのだろう。

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