孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
宮崎さんの向こうから近付いてくる人影に視線を奪われる。
そこに見えたのが数日ぶりに会う制服姿の遥さんで、驚きで息が止まりかけた。
「前にも一度聞いたはずだが? 彼女になにか用かと」
やってきた遥さんは、私の横に立ち宮崎さんとの間に割って入る。
宮崎さんは突然現れた遥さんに「この間の……」と渋い表情を見せた。
「悪いが、彼女は俺の妻なので」
その言葉を耳にした途端、心臓が驚いたように跳ね上がる。
向かいにいる宮崎さんの顔も驚いたように変化した。
「金輪際、このような形で声はかけないでもらいたい。業務中も、もちろんプライベートでも」
はっきりとそう告げた遥さんは、私の背に手を回し「行こう」とその場から連れ出してくれる。そのまま、関係者通用口へと入っていった。
「すみません。また、前と同じようなことに……」
「もう帰るところだったんだろ?」
「あ、はい」
私の返事を聞くと、遥さんは「一緒に帰ろう」と言う。
「彼も、まだこの辺にいるだろうからな。ひとりで帰らせるのも気になる。デブリだけ終わらせてすぐ戻る」
遥さんはそう言い残し、オフィスへと足早に戻っていった。