孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~


 すっかり日も暮れた頃、遥さんと共にマンションエントランスに降りる。

 車寄せには呼んでいたタクシーが一台待っていた。

 エントランスの自動ドアを出ると、ひんやりと冷たい空気に体が縮こまる。寄り添う遥さんに背を押され開いた後部座席のシートに乗り込んだ。

 支度を終えて出てきた遥さんはほとんど初めて見るであろうスーツ姿で、思わずじっと見つめてしまった。

 普段見慣れている制服とはまた違って、遥さんはスーツも完璧に着こなす。重すぎないブラックのスリーピースに、シルバーのネクタイを締めた姿は超絶クールだ。

 タクシーに乗り込むと、運転手はすでに行き先を知らされているのか「出しますね」と車を発車させた。


「今日の行き先は、ここから近い」

「そうなんですか」


 予告通り乗車して十分もしないうち、タクシーは「お待たせしました」と停車する。

 そこは日の出ふ頭で、目の前にはクルーズ船の乗船乗り場入り口が見えていた。


 もしかして、クルーズ船ディナー……⁉

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