孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~


 到着した場所が想定外すぎて、期待と興奮が高まっていく。

 タクシーを降車すると、遥さんは「行こう」と私の手を取った。


「遥さん、もしかしてクルーズ船に乗るんですか?」

 手を引かれながら一応確認。遥さんは「ここに来てその質問か?」と笑う。

「まさか、船も苦手とか、ないよな?」

「え?」

「それなら行き先を変更しないとダメだろ」


 以前の住まいの時のことを思い出したような言い方だった。

 私が高所恐怖症だと知って、住まいを急遽変更してくれた時と状況がどこか似ている。


「大丈夫ですよ、海も船も。どちらかというとワクワクしてます」

「そうか、それなら良かった」


 乗船乗り場に入ると、中には大きなクリスマスツリーが飾られ、これからクルーズ船に乗り込むのであろう着飾った人たちで賑わっていた。

 遥さんに連れられ、予約の確認と乗船の手続きを済ませる。

 すぐに案内され、停泊しているクルーズ船に乗船した。

 船内はホテルのレストランのようになっていて、フロアにはテーブルセッティングされた席が並ぶ。すでに案内されている客が席にもついていた。

 フロア中央近くにある螺旋階段を案内され、そこを上がっていくと上階の席が現れた。

 数少ない席のひとつに案内され、スタッフが椅子を引いてくれる。

上階のフロアはデッキに出られるようになっていて、ガラス張りで眺めもいい。出航したら素晴らしい景色が望めそうだ。

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