孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~


「まさか、こんなところに来れるとは思ってもみなかったです」


 普通の店舗型のレストランで食事をするとばかり思っていた。


「クルーズ船での食事は初めてか」

「はい、初めてです」


 席まで案内してくれたスタッフからドリンクメニューを伺われる。


「真白はなにがいい」

「遥さんと同じでお願いします」

「じゃあ……この間ワインも大丈夫みたいだったから、スパークリングワインでいいか?」

「はい」


 オーダーを受けたスタッフが「かしこまりました」と立ち去っていく。

 入れ替わりで別のスタッフが前菜プレートを運んできた。

 魚介のカルパッチョや、小さなグラスにジュレが入っている。スタッフがプレートの上の一品ずつを簡単に説明していってくれた。

 その間にスパークリングワインもテーブルに届く。

 スタッフが立ち去ってふたりきりになると、遥さんはグラスを手に取った。


「じゃあ、乾杯だな」

「はい」


 グラスを持ち上げて乾杯する。細かな気泡が弾けては生まれ、ひと口含むとワインが弾ける。スパークリングワインの飲みやすさに思わず目が大きくなった。


「美味しい。飲みやすいですね」

「つい飲みすぎて酔うのがスパークリングだから、真白は気を付けないと。船の上で寝ないでくれよ」

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