孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~


 偽装結婚をして今のマンションに住み始めてから、いつも立ち寄っていた公園も通勤経路ではなくなってしまった。

 新たに絵を描く場所も見つけたい。


「やっと生活リズムに余裕が出てきたので、スケッチができる場所を近くで見つけたいなとは思ってます」

「いつも外で描いてるのか」

「はい。スケッチだけして、基本的には着色はイメージでしたりしてます」


 遥さんは「なるほど」と頷く。そして、なにかを思う出すように視線を泳がせた。


「真白の絵、展示会で見た時にすぐわかった。どの絵にも航空機が描いてあったから」

「そうだったんですか。本名で展示してなかったのに……」


 作品を展示させてもらった時は、使っているクリエイターネーム〝Mashiro〟で絵を出していた。


「描く絵は、決まって飛行機と空なんです。昔から。なんなら、それが描きたくて絵を描き始めたようなもので」

「いつから?」

「いつからだろう……。子どもの頃ですよ。小学校に入った頃にはもう描いてましたから」


 その頃から数えたら、どのくらいの数、空と飛行機を描いてきただろう。

 そんなことを考えると、自然と笑顔が浮かんでくる。

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