孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「なんで、そんなかわいいこと言うかな」
そんな囁きにあっという間に鼓動は高鳴りを増していく。
「そんなつもりで言ったわけでは……」
狙ったように聞こえてしまっただろうか。決してそんなつもりはなく、ただただ素直な気持ちを口にだしただけだった。
「わかってる。真白がそういう女性じゃないことくらい。だからこそ、価値がある言葉だなって嬉しかった」
「遥さん……」
手を繋いだまま、遥さんは行きと同じように前で待機しているタクシーに乗り込む。
タクシーがマンションに向けて走り始めても、遥さんは私の手を繋いだまま離さない。
どうしたのだろうと顔を見ると、じっと目を見つめ返されどきっと心臓が驚いた。
タクシーは程なくしてマンションの車寄せに到着する。
遥さんは私の肩を抱き、足早にエレベーターホールへと向かっていった。
「真白」
誰もいないエレベーターに乗り込んだ直後、覗き込まれるようにして遥さんに口づけられた。
急な展開に目を開いたままキスを受け止める。
二階フロアにはすぐに到着し、再び遥さんに手を引かれて部屋を目指す。遥さんはドアを開けると、私を先に玄関へと入れてくれた。
「真白」
再び呼ばれた名前に振り返ろうとした時、背後から包み込むように抱きしめられた。