孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
驚いた。
どうやら今日の午前中の出来事を目撃されていたらしい。
たまたま通りがかって見かけたのかもしれない。
「えっと、よくというか……まぁ」
なんと答えたらいいのかわからず、返事は曖昧。
それよりなにより、緊張してまともに相手の顔も見ることができない。
「すみません、ご面倒をおかけしました。でも、ありがとうございました、助かりました」
「ということは、やはり困っていたということか」
「あ……」
つい、助かりましたなんて本音が出てしまった。
ここで困っていると返事をするのはなんだか違う気がして、「大丈夫です」と答える。
「失礼します」
ぺこりと勢いよく頭を下げ、その場を立ち去る。
背中に視線をなんとなく感じながらも振り返ることはせず、足早に展望デッキを後にした。