孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
十月も後半 となり、ようやく秋の気配を感じる季節となった。
夜間や早朝は羽織りがないと寒く感じる日も増え、一日を通して過ごしやすいと感じる時間帯が増えてきた。
この夏も体力を消耗するほどの猛暑が続いたから、秋の訪れを心待ちにしていた。
「お疲れ様でした」
制服を着替え、軽く顔面のチェックをして少し化粧のよれている部分にパウダーだけはたく。
更衣室を出て、関係者専用通用口を目指しながら、帰りにスーパーで買っていくものを頭の中で整理する。
もうすぐ切れそうな味噌とみりん、あと、昨日ご近所さんからジャガイモをたくさんいただいたから明日は肉じゃがを作りたいと祖母が言っていた。
だから豚小間とニンジン、白滝は買わないといけない。
「遥くん、待って!」
その先を曲がれば通用口というところまで来て、その先から女性の声が聞こえて足が止められた。甘ったるい声だったからだろう。
人の気配がなくなったのを確認して、出口へと向かう。
しかし、出入口を出たすぐ先で腰までの長いゆるふわロングヘアの後ろ姿が立ち止まっていた。
フリルをふんだんに使ったオフショルダーのニットトップスに、マーメイドラインのスカート。THE女子といったコーディネートの向こうには、まさかの高坂機長の無表情な顔。
いけないものを目撃してしまった!と、咄嗟に目を逸らそうとした瞬間にばちっと視線が重なりあった。