孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「さっきのは、一体どういうことなんですか?」
高坂機長は私の背から手を離し、一歩距離を取る。
やっとおかしな距離間から元通りに戻り、その場で向かい合った。
「夫婦にならないか。偽装夫婦だ」
「……。はっ、えぇ⁉」
あまりの衝撃で失礼極まりない声を出してしまう。慌てて口を押えたものの、見開いた目は元に戻せない。
「形だけの夫婦。同居はするけど、それも形だけだ」
高坂機長は綺麗な顔でじっと私を見つめ、わずかに口角を上げた。
「もしかしたら、ウィンウィンの関係が築けるかもしれない……と思ってな」
「ウィンウィン……?」
まったく意味が掴めず訊き返す。
「お互いに、結婚したということにすれば困りごとが解消されるだろうと思ったんだ、さっき咄嗟に」
と、咄嗟に⁉ それで、難波さんの前であんな小芝居を?
でも、ウィンウィンって、私にはそんなこと特になにも……。
「この間の男……結婚したと知れば、空港を利用しても執拗に声をかけてくることもなくなるんじゃないか?」