孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
十一月一週目 の金曜日。
「あれ……お姉、珍しいことしてるー」
突然背後から声をかけられびくっと肩を揺らす。振り返ると、妹の奈子が私のベッドの上を覗き込んでいた。
「珍しいって、別にそんなこと」
慌てて広げていたワンピース二枚を掴み取る。
その様子に奈子はにやりと笑ってみせた。
「あれれ? さては男とデートだな?」
「えっ、なんでそうなるの! 違うし」
「だって、普段しないようなことしてるんだもん、そう思うに決まってるじゃん」
確かに、普段こんな風に手持ちの服を広げて悩んだりしない。
いつもしないことをしているのだから、奈子が騒ぐのは仕方ない。
妹の奈子は高校三年生。私とは九歳離れている。
青春真っ只中の奈子だけど、きっと周囲の友達に比べたら苦労させてしまっていると思う。
両親のいない我が家では、奈子もアルバイトをして家計を支えてくれている。
「なになに、どうしたの?」
そこにやってきたのは、弟の蒼。姉たちがわーきゃーしているのを聞きつけたようだ。