孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「……お、美味い。バジルパスタ、店で食べるのみたいだ」
「本当ですか? それなら良かった……」
「スープも、オニオングラタンスープ好きなんだよな」
口にも合ったようでホッとする。とりあえず良かった。
「料理はよくするのか」
「はい。できる時はやってました。祖母が家にいるので、キッチンには立ってくれるのですが、腰を痛めたりしていて、なるべくは私が」
「姉弟がまだ学生と言ってたもんな」
「はい。でも、みんなよく手伝ってくれます」
私が今回家を出ることで心配も多くある。
祖母は家のことは気にしないでと送り出してくれたけれど、気にかけないでいるなんてことはやっぱりできない。
「そんな事情もあり、実家の方に帰ることもあると思います」
「ああ、それは構わない。家族は大事だからな」
理解があって良かった。
でも、考えてみればここに住むというのも〝夫婦の巣〟として必要というだけであり、実際に夫婦生活を送るわけではない。
秘密の共同生活を送ることになっても、お互いの事情でこれまでの生活スタイルは崩さずにやっていくのだ。
「あの、これからのことを話すって……」
私の方から話を切り出す。
聞きたいこと、確認しておきたいことは考えればいくらでも出てきそうだ。