孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「あともうひとつ。君の仕事ぶりを評価しているからだ」
「仕事、ですか?」
「ああ。フライトを助けてもらったこともある。俺が機長として働きだしたころだ。君は覚えてないかもしれないけどな」
高坂機長のためになにかしたという意識はないけれど、仕事に従事している上で手助けになったことがあったのだろう。
「そうでしたか。それは、良かったです」
「君は、なんの下心もなく普通に仕事をしていただけだと思う。だからこそ、好感を持てたのは事実だ」
高坂機長の言う通り、誰が関わっているから、誰と一緒の仕事だからと、そういう感覚で仕事をしているわけではない。
すべてはお客様のため。それだけだ。
「仕事は、自分にできる精一杯でやっているつもりなので、そんな風に評価していただいているならありがたいです」
「ああ、君ならそんな風に言うと思ってたよ」
まさか仕事のことを評価し褒められるなんて思ってもみず、嬉しいしくすぐったい。
平静を装ったけど落ち着かず、まだあまり食べ進められていないパスタをぐるぐるとフォークに巻き付ける。