極愛〜狙われたら最後〜
病室を出れば、数人の組員と半沢が心配そうな顔をして待っていた。

将臣さんはそれを見て首を横に振ると、みんなはガクッと肩を落とした。

その時組長が組員を引き連れて、手に包帯を巻いて歩いてきた。

「雫さん」

私はお辞儀をする。

「その様子だとダメだったか…」

「ああ」

将臣さんが答える。

「そうか…。雫さん。倅はあんなんだ。もともと女には冷たい人間なんだ。だから…、雫さんが辛かったら…。無理して一緒にいなくてもいいぞ」

組長は私に困った顔をしてそう言った。
心配してくれてるようだ。

でも私にはもう龍臣がいない生活なんて死んでるも同然だ。
考えられない。

「心配していただきありがとうございます。私は大丈夫ですから、側にいさせてください。お願いします」

私は頭を下げた。

「雫さん…」

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