極愛〜狙われたら最後〜
「大丈夫です。二、三日もすれば以前の視力に戻ります」

本当かよ。

そしてまだ視界がボヤけたまま、夜に雨を呼んだ。

来る…よな?

少し不安が過ぎる。

なんだか頭も痛ぇ。

医者も言ってたが、視力が戻るまでこれまで目からの情報がなかった分、急に見えるようになって負担がかかり、頭痛があるかもしれないと。

これか…。

俺はベッドに横になりそっと目を閉じた。

何故か、昨日の雫と同じ気配を感じてバッと起き上がる。

どっちだ?
なんで似てる?

視界は相変わらずまだぼやけていてハッキリと顔は見えない。

「雨か?」

「…ええ」

雨だ。

「こっちに来い」

俺は雨を呼ぶ。

いつもはすぐに側まで来るのに、何故か少し離れた所にいる。

「見えてるの?」

「いや。まだ。ぼやけててよく見えないんだ」

「そうなの…」

俺は雨の手を取り引き寄せた。

ふわっと鼻を掠める雨の香りと血の匂い。

昨日の雫と同じ!?

バッと身体を引き離した。

「ちょっと、なに!」

珍しく雨が声をあげた。
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