極愛〜狙われたら最後〜
そしてボヤけた視界のまま記憶が一気に蘇った。

嘘だろ…

「雫っ!」

俺は雫を引き寄せ抱きしめる。

「雫っ…、雫っ…」

俺はなんて事を…
こいつはずっと…

妻はいらないと冷たく言い放つ俺に…
妻じゃない女のフリまでさせて…

雨だと名乗る雫に俺は…

「龍臣っ…」

雫はそんな俺の背中にそっと手を添える。

クソっ…

「雫…ごめんな…ごめん。本当に…俺…」

「謝らないで…」

「雫っ…」

抱きしめる腕に力を込める。

「また私を愛してくれたんでしょ?」

バッと顔を上げ雫を見れば、ボヤけた視界でも微笑んでいるのが見えた。

頬に触れれば涙で濡れている。

俺はそこにキスを這わせて涙を拭う。

俺なんて、あのまま離婚されてもおかしくなかったのに…



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