極愛〜狙われたら最後〜
サーっと血の気が引いていく。

「安心しろ。大丈夫だ」

そう言ってまた耳元で囁くように言われる。

なんなの…
この歌うような甘い声は。

脳が溶かされそう…

この人どこまで知ってるの?
私のこの世界では、身バレしたら殺される。

「俺しか知らない。なぁ、取引しないか」

「場所を変えましょう?」

ここはマスターが目を光らせている。

「いいだろう」

すると彼は一気にウォッカを飲み干した。

そして立ち上がり私の腕を取った。

店を出ると待機していた車に乗せられる。
すれ違うように組員が店の中に入っていき、マスターと何か話しをしているようだ。

会計か。

そしてそのまま私はどこかの高級マンションに連れて行かれる。

ここって…

「俺んち。来たかっただろ?」

彼はフッと笑うと私の腰に手を添えて歩き出す。

ついてくる組員に片手をあげて制した。

え?
大丈夫なの?

私の正体を知ってるのに?
無防備すぎない?
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