極愛〜狙われたら最後〜
私の考えがわかるかのようにフッと片方の口角だけを上げて笑う。

「お前は俺を殺せない」

なんなのその自信。

でもこれはチャンスだ。

彼は取引しないかと言った。
一度協力するフリをして情報を流し、ゴーサインが出たら隙を見て最後に始末すれば良い。

私を見下ろすその漆黒の瞳からは彼の真意が読み取れない。

指紋認証で最上階のボタンを押せば一気に上昇するエレベーター。

ここからも外の景色が見える。

やっぱり綺麗。

「夜景が好きか?」

え?
私は彼を見上げる。

「俺の部屋からはもっと良く見える」

そうなんだ。
そしてまた顔を戻した。

彼は意外と穏やかな話し方をする。
ただならぬオーラを纏っているが、能ある鷹が爪を隠すように静かだ。

到着の合図がなり扉が開けばドアがひとつ。

一世帯だけなのね。

部屋に入って広いリビングに通されるとそこには言っていた通り、全面ガラス張りになった窓から夜景が一望できた。

綺麗…




< 21 / 268 >

この作品をシェア

pagetop