極愛〜狙われたら最後〜
どうか…
どうか無事でいてくれ…

だいたいは止まるのに…
かなりの量の出血があった。

頼む…

そして何時間たったかわからないころ、オペ室のランプが消え、中から医者が汗を吹きながら出てきた。

コイツはうちの組でいつも世話になってる中谷幸太郎(なかたにこうたろう)という無精髭のだらしなそうな男。

でも腕はピカイチの外科医だ。

中谷はさっそく胸ポケットに入っていたタバコに火をつけ煙を吐く。

「おい」

まずなんか言え。

「んだよ。心配すんなよ。俺を誰だと思ってんだ? 腹の子も無事だ」

「そうか…」

無事だったか…。

ん?
腹の子?

「は、腹の子って言ったか?」

「ああ。妊娠4ヶ月に入ったばかりだ。まだ安定期じゃないから油断は出来ないが、麻酔の影響はないはずだ。はずだからな」

は?
< 222 / 268 >

この作品をシェア

pagetop