極愛〜狙われたら最後〜
見てたらしい。

私は気にせず片付けるためにまたリビングを出た。

何あれ。
見てても表情ひとつ変えないのね。

ドライヤーをあてて髪を乾かす。
ちょうど乾いたところで彼が入ってきた。

私は入れ違うように出て行こうとするとパシっと手を掴まれた。

顔だけ振り向く。

「怪我してる」

そう言われて持ち上げられた手を見る。
ああ。
これか。

「大丈夫。紙で切っただけ」

そう言って、お風呂で濡れてしまった絆創膏を指から剥がして見せた。

「ほら。大した事ない」

むしろシワシワのばーさんみたいな指の方がヤバい。

「気をつけろ」

彼はそう言って手を離したので私はその場から離れた。

こんな切り傷ひとつで何を心配してるんだ?

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