蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「ありがとうございました」

小さな声で隣のカウンターから声が聞こえ、頭を下げてきたので私も笑顔で頷いた。
その後は問題なくお客様を案内し、休憩時間になった。
先ほどのカウンターで交代した1つ下の未来(みき)ちゃんと食堂に行くと賑わっており、2人で空いたところをなんとか見つけ席を確保した。

「悠里さんってすごいですよね。中国語があんなにペラペラだなんて」

「そんなことないよ。私だってまだまだ勉強中」

「またぁ。私はあの夫婦の言葉が聞き取れなくて困りました」

「確かに老夫婦だったからちょっと訛りが強かったよね」

私が大学で習っていた先生は若い人と年配の人だったのであんなにも違うのだなと思いながら勉強していたので聞き取ることができた。若い人なら最近はあまりイントネーションも変わらないが、高齢の人になればなるほど難しくなる。

「あー、悠里さんと働くと本当に勉強になります!」

未来ちゃんはパスタをフォークにくるくる絡めながら私を見てくる。

「どうしてこんなに優秀なのかなぁ」

「ちょっと、そんなことないでしょ」

私なんかを優秀だなんて言わないでほしい。まだまだ勉強中だし、今日だってヘルプに入ることになっただけで緊張するくらいなのに。

「えー、悠里さんは優秀ですよ。どんなお客様へも笑顔で対応できるし、的確で早いですし」

なんだか急に褒められて恥ずかしくなり、視線を落とした。

「ほら、そういうところも可愛いですよね」

「未来ちゃん、からかわないで」

「からかってなんかないですよ。全部本当の話です」

なんだか恥ずかしくて居心地が悪く感じてしまうが、未来ちゃんにそんな目で見られてるなんて少しだけ嬉しい。
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