蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「もう終わりか。気がついたらあっという間だったな。君と会えてよかった」

「私もです。乗船させられた時はどうしようかと思ったけど瑛人さんと話せて楽しかったです。ありがとうございました」

「これで終わりだなんて嫌だな。降りた後、もう少し話さないか?」

え?
戸惑う私の手を取ると顔を覗き込んできた。彼に見つめられた私は気がつくと頷いていた。すると彼も頷き、そのまま手を握られ無言のままタラップを渡るとそのまま歩き出してしまった。

「お腹空かないか? さっきはあんまり食べられなかっただろ」

そう言われると私はホールにほとんどおらず、小春と一緒にいた時に食べただけだ。そのあとはデッキに出て瑛人さんと話ていたから食事らしい食事はしていない。

「そうですね。瑛人さんも食べていないですか?」

「あぁ、俺は初めからデッキにいたから食事は口にしていない」

最初からずっとデッキにいたの?と驚いたが、私と同じように友人に連れてこられたと言っていたから婚活に関心がなかったのだろう。
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