蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「さっきの何?」

振り返ると先輩ふたりが話しかけてきた。

「え?」

「結城さんと話してたでしょ。なんなの? おとなしい子かと思っていたけど、案外違うのね。人は見かけによらないっていうものね」

それだけ言うとさげずむような表情を向けられ離れていった。
何があったのか呆然としてしまったが、結城さんと会話を交わしたせいだとハッとした。つい彼の話が出たので気が緩んでしまったのだ。先ほどのCAさんたちもそのせいだと気がついた。でも今さらもう遅い。それに結城さんとは何もないのだから堂々としていよう。
そう思って仕事は仕事だと割り切っていたが、周囲の目は徐々に冷たいものになっていった。CAさんの間でも噂になっているのか毎回私を見る視線は冷たい。
瑛人さんの飛行機を見送るため振り返ろうとするが、周囲の視線が怖くてできなくなってしまった。もともとタイミングが合えば振り返っていただけだが、私たちの中でそれは日常化しつつあった。なので毎回振り返らない私を彼は不思議に思っているのではないか。でも今は気がついていないのか、意識していないのか、瑛人さんから何も言われていないのが救いだった。
< 75 / 125 >

この作品をシェア

pagetop