蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「あれ? どうかしたの?」

ちょうどクルーが機内に搭乗するためやってきてしまったようだ。声をかけてきたのはタイミングの悪いことに結城さんだ。

「あ、すみません。鷺宮さんの単独行動が多いので少し注意していたんです。こんなところですみませんでした」

先ほどまでの表情とは打って変わって結城さんを見る目は甘い。一緒にいた機長にも、カウンター内とはいえお客様が見ているかもしれないから気をつけるように言われた。私は頭を下げると彼女も申し訳ありませんと口にしたが、どこか勝ち誇ったような表情に見えた。それは私たちの様子を見ていたCAさんからも感じた。私のことをよく思っていない人が多いのだと改めて感じた。
クルーはそのまま機内へと入っていった。私はいつものように「いってらっしゃいませ」と声をかけられずにいると、結城さんの方から「いってきます」と言われ思わず顔を上げた。彼は頷き、いつものように片手を上げると機内に入っていった。
直接庇われたわけではないが、この様子をまた見られたことで彼女たちの視線はまた冷たくなった。
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