蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
カフェで話が長引いてしまい、元々予定していたサンセットディナーの時間が迫ってしまった。
手を繋いでお店に向かうため歩き出すと、見覚えのある姿が遠くに見えた。私の足が止まってしまうと彼もその姿に気がついたようだ。

「悠里、もう隠すことはない。堂々としていよう。何かあっても俺が守るから、行こう」

彼のその言葉に励まされるように彼らの方向へ歩き出した。けれど彼らは私たちに気がつかなかったようでお店の中に入ってしまい、すれ違うことはなかった。

「よかった……」

ついホッとしてしまい、そう口にすると、

「悠里、もし見られたとしても俺は何も困らないから」

力強い言葉に私はもう後退りしないと決め、頷いた。
彼は予約していたサンセットを見ながら食事ができるレストランに連れて行ってくれた。
ヤシの木でお互いのテーブルが隠され、距離もやや離れているため二人きりで夕陽を見ているような気になる。
ドリンクが運ばれ、シーフードが並べられるとグラスを重ね合わせた。
波音を聞きながらうねりを見ていると時間を忘れてしまいそうになる。外はいつの間にか茜色に染まり、海の色まで変えてきた。言葉を交わすことなく、お互いに波の様子に魅入ってしまっていると気がつけば太陽は水平線に半分隠れていた。

「あっという間に沈んでしまいましたね」

「あぁ、ここで見ていると俺たちの世界なんて小さいんだと改めて感じるよ。自然は偉大だな」

「そうですね。空からの世界も素敵ですけど、どこまでも続く水平線も素敵ですね」

私がぼうっとしながら話しているといつの間にかスタッフがいて、彼に何かを手渡していた。夕陽が水平線に沈むまであとわずかとなった時、彼が私の前に跪きジュエリーケースを手にしていた。
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