狂気のお姫様
「……つ………り……」

まどろみの中、私の名前を呼ぶ声が聞こえていた気がするが、それが夢なのか、それとも現実なのかは分からない。

ただ、なんだかゆらゆら揺れていて…あったかくて…気持ちよくて……。





「はぁっ!!!寝てた!!!」

正直、漫画みたいな起き方をした。

至極綺麗に飛び起きた。

何してた私。

寝てた?どこで?

若干頭が働かないが、脳みそをフル稼働して自分の足取りを思い出そうとする。

が、その前にあることに気づいた。




「天井が…ない…だと…」

そう、空が見えるのだ。

空?あれはもしかしてかの有名な空というものか?じゃああの白いのは雲?まさかまさか。だってさっきまで天井あったもん。誰だよぶち抜いた奴は。いやいやそんな奇天烈なことする奴いるか。



「ぶっくくく…」

「えっ」

突如後ろから笑い声が聞こえてきて、バッと後ろを向いてギョッとした。

「あんた…忙しすぎ…ふっ…ふふ…」

銀髪が床をばんばん叩きながら笑っているではないか。

え、なんで銀髪がここにいるの。ていうかここどこなの。銀髪がいるってことはここはあそこなの。いやいやまさかぁ。

そして今思ったけど私銀髪の膝で寝てなかったか?

ていうか珍しい。こんなに笑ってるなんて珍しい。



「ということは………」

「ということは?」

「夢か」

なんだ。焦ったじゃないか。

めちゃめちゃいろんなことを考えた気がする。あぁ、疲れた。でも夢ならグッジョブだ。天井がぶち抜かれているのも合点がいく。だって夢だもの。


「ふっくくっ…夢…?」

「あーもう焦った焦った」

まったくリアルな夢をみたものだ。


「さ、ワンモアスリーピン」

足元にかけられている見覚えしかないカーディガンを綺麗にかけ直し、そのまま上半身をパタリと倒すと、ちょうど自分の頭が銀髪の膝にロックオン。



「律?まだ寝るのか?」

「まだ寝るもなにも…夢ですから…」

ほらほら、遠慮しないでおいでよ眠気ちゃん。

「これ夢?」

「そう…」

「ふっふふふ……そっか」

「…」

「おやすみ」




ぽんぽん、と頭を撫でられて一気に眠気が私を襲う。

夢のはずなのに、なんだかリアルな感触。

次ちゃんと起きた時には……あれ、そもそもどこで寝てたんだっけ…。

まぁ…いっか…。
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